Trigeminal neuralgia 三叉神経痛(副交感神経ブロックも含める)

叉神経痛とは?

三叉神経痛は、顔の感覚を担当する三叉神経に起こる、電気が走ったような激しい痛みを特徴とする病気です。この痛みは顔の片側に数秒から数十秒間続く発作として現れます。顔を洗う、歯を磨く、食事をするなどの日常動作で痛みが誘発されることが多く、特定の部位(トリガーポイント)に触れると痛みが出ます。
三叉神経は顔の感覚を司る重要な神経で、眼神経(第1枝)、上顎神経(第2枝)、下顎神経(第3枝)の3つに分かれています。痛みはどの枝でも起こりますが、特に第2枝と第3枝で多く見られます。主な原因は、頭蓋内で血管が三叉神経を圧迫することです。
この病気は40歳以上の方、特に女性に多く見られます。適切な治療を受ければ症状をコントロールできますが、放置すると痛みがひどくなることがあります。

三叉神経痛と間違えやすい病気

三叉神経痛は、顔の痛みを主な症状とする他の病気と間違えられることがあります。顎関節症、頭痛、歯の痛みなどと症状が似ていることがありますが、痛みの特徴や持続時間が異なります。正確な診断には専門医による詳しい問診と検査が必要です。

んな方におすすめ

以下のような症状がある方は、三叉神経痛の可能性があります。

  • 顔の片側に電気が走ったような鋭い痛みが突然起こる
  • 痛みの持続時間は数秒から数十秒で、突然始まり突然終わる
  • 顔を洗う、歯を磨く、食事をする、話すなどの動作で痛みが誘発される
  • 顔の特定の部位(「トリガーポイント」)に触れると痛みが出る
  • 痛みの発作と発作の間に症状のない期間がある
  • 通常の痛み止めが効きにくい
  • 年齢が40歳以上である

また、以下のような状況の方も当院の治療をお勧めします。

  • 三叉神経痛と診断されたが、薬による治療で十分な効果が得られていない
  • 薬の副作用に悩まされている
  • 痛みの発作が頻繁に起こり、日常生活に支障をきたしている
  • 手術を検討しているが、まずは体への負担が少ない治療法を試してみたい
  • 涙や鼻水が増えるなどの症状も一緒にある

これらの症状や状況に当てはまる方は、早めにご相談ください。痛みが長く続くと治療が難しくなることがあります。

三叉神経痛の痛みの特徴

三叉神経痛の痛みはとても特徴的です。患者さまは「電気ショックのような」「稲妻が走るような」「針で刺されるような」と表現されることが多いです。この痛みは通常、顔の片側に限られ、発作的に起こるのが特徴です。発作と発作の間は完全に痛みがないことが多く、これが三叉神経痛を他の顔面の痛みと区別する重要な特徴です。

院の三叉神経痛治療における特徴

専門的な診断アプローチ

当院では詳しい問診と神経の検査を行い、三叉神経痛の正確な診断を行います。必要に応じてMRIやCT検査を行い、三叉神経を圧迫している血管や腫瘍などの有無を確認します。三叉神経痛は他の顔面の痛みと症状が似ていることもあるため、詳しい検査と診断が治療成功の鍵となります。

多角的な治療法の提供

当院では患者さまの症状や原因に合わせた最適な治療法を選択します。薬による治療を基本としながら、効果が不十分な場合や副作用が問題となる場合には、神経ブロックなど他の治療法も組み合わせます。特に副交感神経ブロックは、涙や鼻水の増加などの症状がある場合に効果が期待できます。

副交感神経ブロック治療の専門性

当院では三叉神経痛に伴う副交感神経系の過剰反応(涙や鼻水の増加など)に対して、副交感神経ブロックを行うことができます。翼口蓋神経節ブロックなどの技術を用いて、痛みとともに随伴症状の軽減を図ります。これらの特殊な神経ブロック治療は、高度な専門知識と技術を要するため、当院の専門性が活かされる治療法です。

薬物療法の最適化

三叉神経痛の治療に最も効果的な薬であるカルバマゼピン(テグレトール®)などの抗てんかん薬の投与は、効果と副作用のバランスを慎重に見ながら行います。副作用にはねむけ、ふらつき、めまいなどの症状のほか、肝機能障害、薬疹、造血障害(白血球減少、貧血など)があります。患者さまの年齢、体重、肝機能、腎機能などを考慮した適切な投与計画を立て、効果的かつ安全な薬物療法を行います。

総合的なケアアプローチ

口腔外科・神経内科の専門知識を活かし、必要に応じて他科との連携も行いながら、患者さま一人ひとりの症状や生活環境に合わせた総合的な治療計画を立てます。三叉神経痛は長期的な管理が必要な病気であるため、継続的なフォローアップを重視し、生活の質を向上させるためのサポートを提供します。

叉神経痛治療のメリット

痛みの軽減・解消

適切な治療により、激しい痛みの発作頻度や強さを大幅に軽減することができます。多くの患者さまは薬物療法や神経ブロック療法により、日常生活に支障をきたすような痛みから解放されます。痛みのコントロールにより、食事や会話、顔を洗うなどの基本的な日常動作を恐怖なく行えるようになります。

生活の質の向上

三叉神経痛の痛みはとても強く、患者さまの生活の質を大きく下げてしまいます。治療による痛みの軽減は、直接的な生活の質の向上につながります。食事を楽しむ、家族との会話を楽しむ、外出するなど、痛みの恐怖から解放された生活を取り戻すことができます。

随伴症状の改善

副交感神経ブロック療法を含む総合的な治療により、三叉神経痛に伴う涙や鼻水の増加、顔の赤みなどの症状も改善することが期待できます。これらの症状は痛みほど注目されませんが、患者さまの不快感や社会生活の妨げとなることがあります。

薬の量を減らせる可能性

神経ブロック療法を併用することで、抗てんかん薬などの飲み薬の量を減らせる場合があります。これにより薬の副作用(めまい、ふらつき、眠気など)を軽減し、より快適な日常生活を送ることができるようになります。

発作の予防効果

適切な治療と自己管理により、痛みの発作を引き起こすきっかけを避けたり、発作の前兆を感じた際の対処法を実践したりすることで、発作の頻度を減らすことができます。患者さま自身が病気と上手に付き合う力を身につけることで、長期的な症状管理が可能になります。

叉神経痛と副交感神経の関係

交感神経と副交感神経のバランス

三叉神経痛の痛みは、自律神経系のバランスの乱れと関係していることがあります。特に副交感神経の過剰反応が、三叉神経痛の一部の患者さまでは痛みを悪化させる要因となることがあります。三叉神経と副交感神経系は解剖学的に近い位置にあり、痛みの刺激が副交感神経系の異常活動を引き起こすことがあります。

副交感神経関連症状

三叉神経痛の発作時に、涙の増加、鼻水、顔の赤み、唾液の増加などの副交感神経関連症状が見られることがあります。これらの症状は、三叉神経と副交感神経節(翼口蓋神経節など)の解剖学的なつながりにより生じると考えられています。このような症状が目立つ場合、副交感神経ブロックが効果的な治療選択肢となります。

院の三叉神経痛治療の流れ

  • Step01

    丁寧な初診・問診

    痛みの性質、発症時期、経過、頻度、持続時間、痛みの部位、誘発因子など詳しくお聞きします。三叉神経痛は特徴的な症状を持つため、問診だけでも診断の手がかりが得られます。また、これまでの治療経過や効果についても確認します。

  • Step02

    精密な診察・検査

    顔面の感覚検査、顎を動かした時の痛みの誘発の確認など、神経学的検査を行います。必要に応じてMRIやCT検査を行い、三叉神経を圧迫している血管や腫瘍などの有無を確認します。これらの検査により、典型的三叉神経痛と他の原因による三叉神経痛を区別します。

  • Step03

    わかりやすい診断・治療計画の説明

    検査結果に基づいて診断を行い、適切な治療計画をご説明します。三叉神経痛の原因、予想される経過、治療選択肢のメリット・デメリットなどについて詳しくお伝えします。患者さまが自分の状態を理解し、治療に主体的に取り組めるよう、わかりやすい説明を心がけています。

  • Step04

    個別化された治療の実施

    患者さまの症状や原因に合わせた治療を実施します。

    • 薬物療法: カルバマゼピン(テグレトール®)を中心とした抗てんかん薬を使用します。効果と副作用のバランスを見ながら、最適な量を決定します。副作用が強い場合には、ガバペンチンやプレガバリンなど他の薬も検討します。
    • 神経ブロック療法: 薬物療法で十分な効果が得られない場合や、副作用が問題となる場合には、三叉神経ブロックや副交感神経ブロック(翼口蓋神経節ブロックなど)を行います。局所麻酔薬やステロイド薬、アルコールや高周波熱凝固を用いて神経の近くに注射し、痛みの伝達を遮断します。
    • 生活指導: 痛みを誘発する動作や食べ物を特定し、避ける方法をアドバイスします。また、ストレス管理や良質な睡眠の確保など、自律神経のバランスを整えるための生活習慣についても指導します。
  • Step05

    継続的な経過観察と治療の調整

    定期的な通院により症状の変化を確認し、必要に応じて治療内容を調整します。薬物療法では、効果や副作用を評価しながら用量調整を行います。神経ブロック療法では、効果の持続時間を見ながら適切な間隔で治療を繰り返します。患者さまの回復状況に合わせて柔軟に治療計画を見直し、最適な経過をたどれるようサポートします。

  • Step06

    難治例に対する高度医療機関との連携

    保存的治療で十分な効果が得られない場合には、ガンマナイフ治療や神経血管減圧術(MVD)などの専門的治療を行う医療機関をご紹介します。当院では術後のフォローアップや痛みの管理を継続して行い、専門医療機関と連携して患者さまをサポートします。

  • Step07

    充実した治療完了と予防指導

    症状が安定したら、再発防止のための自己管理方法をお伝えします。三叉神経痛は再発する可能性がある病気のため、早期に対処するための知識や、自宅でできるケア方法について詳しく説明します。必要に応じて定期的なチェックをご案内することもあります。治療が終わった後も、患者さまが快適な生活を続けられるよう、長期的な視点でのケアを提供します。

当院では患者さま一人ひとりの症状や生活環境に合わせた治療を提供し、三叉神経痛による激しい痛みからの解放と快適な日常生活の回復をサポートします。激しい顔面痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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