fibroma treatment 線維腫治療

維腫とは?

線維腫は、お口の中に発生する良性の腫瘍で、主に結合組織の増殖によって形成されます。舌や頬粘膜部によく見られ、表面は比較的滑らかな盛り上がりとして現れます。ほとんどが歯の尖った部位や入れ歯などの慢性的な刺激による反応性の病変(外傷性線維腫、刺激性線維腫)であり、真の腫瘍は非常に少ないです。
特徴として、成長はゆっくりで、通常は痛みがないため、自覚症状がないまま大きくなることもあります。サイズは一般的に5〜10mm程度の盛り上がりとして現れ、色は周囲の健康な粘膜と同じであることが多いです。

維腫の種類

線維腫はその発生原因や形状によって、いくつかの種類にわけられます。

外傷性線維腫(刺激性線維腫)

最も一般的な種類で、歯の尖った部分や入れ歯による慢性的な刺激が原因で発生します。頬の内側や舌の側面など、刺激を受けやすい部位に多く見られます。

義歯性線維腫

入れ歯を長期間使用している方に見られる特殊なタイプです。入れ歯の縁が当たる部分、特に歯肉と頬粘膜の境目に発生しやすく、入れ歯が合わなくなると同時に気づかれることが多いです。

真性線維腫

外的刺激とは関係なく発生する真の腫瘍性病変です。非常に稀であり、先天的な要因や遺伝的な背景が関連していると考えられています。

乳頭状線維腫

表面がやや凸凹した特徴を持ち、乳頭状の外観を示します。上皮と結合組織の両方が増殖することで形成されるもので、口腔内のさまざまな部位に発生します。

こんな方におすすめ

  • 口腔内(舌、頬粘膜、歯肉、口唇など)に小さな膨らみや腫れを感じている方
  • 入れ歯を使用しており、入れ歯の縁に沿って腫れがある方
  • 口腔内に違和感はあるものの痛みがない腫瘤がある方
  • 口腔内の腫れが徐々に大きくなってきている方
  • お口の中の腫れについて詳しい診断を受けたい方

院の線維腫治療における特徴

当院では、口腔外科医の専門知識と経験を踏まえ、線維腫の正確な診断と適切な治療を提供しています。線維腫は良性腫瘍ではありますが、その発生原因や性状を詳細に調べることで、より的確な治療方針を立てることが可能です。

当院の口腔外科治療では、患者さんのお口の健康を守るため全身的な観点からケアを行う体制を整えています。線維腫に対しては、最小限の侵襲で効果的な治療を行い、術後の不快感を軽減するよう努めています。
また、基礎疾患をお持ちで他の病院では手術が困難と言われた患者さんも、当院では対応可能なこともありますので、ぜひご相談ください。

維腫治療のメリット

  • 小さな手術で完全に除去することができ、再発のリスクが低い
  • 局所麻酔で行えるため、入院の必要がなく日帰り治療が可能
  • 腫瘤の除去により、食事や会話時の不快感が解消される
  • 早期に治療することで、より簡単な手術で済み、回復も早い
  • 切除した組織を検査することで、確実な診断ができる

維腫治療のデメリット

  • 外科的処置を伴うため、多少の不快感や腫れが生じることがある
  • 手術後、数日間は食事や会話に注意が必要な場合がある
  • 発生部位によっては、治癒までに時間がかかる場合がある
  • 原因となる慢性刺激(入れ歯の不適合など)を改善しない場合、再発の可能性がある
  • 大きな線維腫の場合、切除後に縫合が必要となり、一時的な違和感が生じることがある

院の線維腫治療の流れ

  • Step01

    初診・診断

    口腔内の詳細な検査を行い、線維腫の可能性について評価します。必要に応じてレントゲン撮影なども行います。

  • Step02

    治療計画の立案

    線維腫の大きさや位置、患者さんの全身状態を考慮して、最適な治療計画を立てます。

  • Step03

    手術(切除)

    局所麻酔下で腫れを切除します。小さな線維腫であれば、切除後に縫合が不要な場合もあります。

  • Step04

    病理組織検査

    切除した組織を検査に出し、確定診断を行います。これにより、線維腫の性質や悪性の可能性がないかを確認します。

  • Step05

    術後のケア

    傷口の洗浄方法や注意点についてご説明します。必要に応じて、痛み止めや抗生物質の処方も行います。

  • Step06

    経過観察

    術後1週間程度で経過を確認し、治癒状態を評価します。また、原因となる刺激因子(入れ歯の不適合など)がある場合は、その改善も行います。

維腫の予防法と日常生活での注意点

線維腫は、その多くが慢性的な刺激によって発生するため、適切な予防策を講じることで発生リスクを減らすことが可能です。

適切な口腔ケア

毎日の丁寧な歯磨きと定期的な歯科検診が重要です。口腔内を清潔に保つことで、炎症や刺激を最小限に抑えることができます。特に歯と歯の間や歯茎の境目は丁寧に清掃しましょう。

入れ歯のケアと調整

入れ歯をお使いの方は、定期的な洗浄と適切なフィットの確認が必要です。入れ歯が合わないと感じたら、すぐに歯科医師に相談しましょう。合わない入れ歯を長期間使用すると、義歯性線維腫の原因となります。

悪習慣の改善

頬の内側や唇を噛む癖、硬いものを噛む習慣などは、口腔粘膜への慢性的な刺激となります。これらの習慣を意識的に改善することで、線維腫の発生リスクを減らすことができます。

尖った歯や詰め物の修正

歯の尖った部分や不適合な詰め物・被せ物は、舌や頬粘膜を傷つける原因となります。気になる部分があれば、歯科医師に相談して修正しましょう。

定期的な口腔内チェック

自分で鏡を見て口腔内をチェックする習慣をつけましょう。普段と違う盛り上がりや変化に早めに気づくことで、早期発見・早期治療につながります。

維腫と他の口腔内腫瘍との鑑別点

口腔内に発生する腫瘍や腫れにはさまざまな種類があり、見た目だけでは線維腫と区別することが難しい場合があります。以下に、線維腫と間違えやすい病変とその鑑別点をご紹介します。

乳頭腫との違い

乳頭腫はウイルス感染が原因で発生することが多く、表面がイボ状や乳頭状になっています。線維腫が比較的滑らかな表面をしているのに対し、乳頭腫は表面に細かい凹凸があるのが特徴です。

粘液嚢胞(粘液囊胞)との違い

唾液腺の導管が詰まることで発生する粘液嚢胞は、半透明あるいは青みがかった色調を示し、中に液体が溜まった柔らかい感触があります。線維腫は通常、周囲の粘膜と同じ色で、やや硬めの感触があります。

脂肪腫との違い

脂肪組織からなる脂肪腫は、触ると柔らかく、表面の粘膜の下に黄色味を帯びた組織が透けて見えることがあります。線維腫よりも柔らかい感触があるのが特徴です。

口腔がんとの鑑別

最も重要な鑑別点として、口腔がんとの区別があります。口腔がんは通常、不規則な形状や潰瘍を伴うことが多く、出血しやすい、硬い触感がある、急速に大きくなるなどの特徴があります。また、痛みを伴うこともあります。線維腫は一般的に表面が滑らかで、成長がゆっくりです。

当院では患者さんの状態に合わせた丁寧な説明と、安心して治療を受けていただける環境を整えています。線維腫でお悩みの方は、早めの受診をおすすめします。症状が長期間(10日以上)続く場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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